KANRI / 2017 / 問2公式正解表どおり

民法・関連法令法令基準日 2017年4月1日

平成29年度(2017年)管理業務主任者試験 問2

甲マンション(以下、本問において「甲」という。)において生じた不法行為に関する次の記述のうち、民法、区分所有法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. 1甲の管理組合法人の防災担当理事Aが、過失により防災訓練実施中に区分所有者Bにけがをさせた場合、甲の管理組合法人とともにAもBに対して損害賠償責任を負う。
  2. 2甲の管理組合法人から設備点検を受託している設備会社Cの従業員が、過失により甲の施設を点検中に設備を損傷した場合、Cは、その従業員の選任及び監督について過失がなかったときでも、甲に生じた損害について損害賠償責任を負う。
  3. 3甲の区分所有者Dが、過失により浴室から漏水させ、階下の区分所有者Eに損害を与えた場合、EがDに対して損害賠償請求をした時からDは遅滞の責任を負う。
  4. 4甲の大規模修繕工事に際し、同工事を請け負った建設会社の従業員が、過失により建築資材を地上に落下させ、通行人が負傷した場合、甲の管理組合法人は、注文又は指図について過失がない場合でも、当該通行人に対して損害賠償責任を負う。

正解 肢1

出典:平成29年度 管理業務主任者試験 問2。本サイトは非公式の学習サイトです。

解説AI解説

本問の論点

マンションで生じた不法行為について、誰がどのような要件で損害賠償責任を負うかを問う問題である。法人の理事個人の責任、使用者責任、遅滞の始期、注文者の責任が論点となる。

正解の根拠

管理組合法人の理事が職務を行うにつき過失によって他人に損害を加えた場合、法人が賠償責任を負うだけでなく、加害行為をした理事自身の行為も一般の不法行為にあたるため、理事個人も被害者に対して損害賠償責任を負う。両者の責任は併存する。よって、正解は肢1。

各肢の検討

肢1: 正しい。防災訓練中に過失によりBにけがをさせた理事Aは、甲の管理組合法人とともにBに対し損害賠償責任を負う。

肢2: 誤り。使用者責任は、使用者が被用者の選任及び監督について相当の注意をしたことを証明したときは免責される中間責任である。

肢3: 誤り。民法第412条第3項は期限を定めなかった債務について請求を受けた時からの遅滞を定めるが、不法行為による損害賠償債務は判例上損害の発生と同時に遅滞となる。

肢4: 誤り。民法第716条第1項は、注文者は請負人が第三者に加えた損害を賠償する責任を負わず、注文又は指図に過失があったときに限り責任を負うとしている。

一言まとめ

法人の責任と機関個人の責任は択一ではなく併存する、と押さえる。

一問一答各肢の正誤

  1. 肢1甲の管理組合法人の防災担当理事Aが、過失により防災訓練実施中に区分所有者Bにけがをさせた場合、甲の管理組合法人とともにAもBに対して損害賠償責任を負う。

    正しい。防災訓練中に過失によりBにけがをさせた理事Aは、甲の管理組合法人とともにBに対し損害賠償責任を負う。

  2. ×肢2甲の管理組合法人から設備点検を受託している設備会社Cの従業員が、過失により甲の施設を点検中に設備を損傷した場合、Cは、その従業員の選任及び監督について過失がなかったときでも、甲に生じた損害について損害賠償責任を負う。

    誤り。使用者責任は、使用者が被用者の選任及び監督について相当の注意をしたことを証明したときは免責される中間責任である。

  3. ×肢3甲の区分所有者Dが、過失により浴室から漏水させ、階下の区分所有者Eに損害を与えた場合、EがDに対して損害賠償請求をした時からDは遅滞の責任を負う。

    誤り。民法第412条第3項は期限を定めなかった債務について請求を受けた時からの遅滞を定めるが、不法行為による損害賠償債務は判例上損害の発生と同時に遅滞となる。

  4. ×肢4甲の大規模修繕工事に際し、同工事を請け負った建設会社の従業員が、過失により建築資材を地上に落下させ、通行人が負傷した場合、甲の管理組合法人は、注文又は指図について過失がない場合でも、当該通行人に対して損害賠償責任を負う。

    誤り。民法第716条第1項は、注文者は請負人が第三者に加えた損害を賠償する責任を負わず、注文又は指図に過失があったときに限り責任を負うとしている。

関連条文解説で引用

  • 民法第412条第3項
  • 民法第716条第1項

法令基準日:2017年4月1日現在で施行されている規定に基づく。本サイトの解説は学習補助を目的とし、法的助言ではありません。