KANRI / 2018 / 問2公式正解表どおり

民法・関連法令法令基準日 2018年4月1日

平成30年度(2018年)管理業務主任者試験 問2

AB間で、Aの所有するマンション(マンション管理適正化法第2条第1号に規定するものをいう。以下同じ。)の1住戸甲(以下、本問において「甲」という。)をBに売却する契約(以下、本問において「本件契約」という。)が締結され、AB間の協議により、BはAに解約手付としての手付金を交付した。また、本件契約において、Aは、契約締結の日から1か月後に代金と引換えに甲を引き渡すことが約定されていた。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. 1Bが本件契約の履行に着手していない場合、Aは、Bに対し、手付金の倍額を償還することにより本件契約を解除する旨の通知を送達すれば、本件契約を解除することができる。
  2. 2Aが本件契約の履行に着手していない場合、BがAに対し、手付金を放棄し、本件契約を解除する旨の意思表示をしたときは、Aは、Bに対して損害賠償を請求することができない。
  3. 3契約締結の日から1か月後に、Aが甲の引渡しの準備をしていなかった場合でも、Bが代金の支払の準備を整えていたときは、AとBはいずれも、解約手付による解除権を行使することができない。
  4. 4BがAの債務不履行により売買契約を解除した場合、Bは、Aに対して手付金の返還を請求することができるが、損害賠償を請求することはできない。

正解 肢2

出典:平成30年度 管理業務主任者試験 問2。本サイトは非公式の学習サイトです。

解説AI解説

本問の論点

解約手付が交付された売買契約について、手付解除の要件と効果、債務不履行による解除との違いを問う問題である。誰が履行に着手したか、そして解除に伴う損害賠償の可否が論点となる。

正解の根拠

民法第557条第1項は、買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができると定める。そのうえで民法第557条第2項は、前項の場合には、解除に伴う損害賠償の規定は適用しないと定めており、手付解除がされた相手方は損害賠償を請求できない。よって、正解は肢2。

各肢の検討

肢1:誤り。倍額の償還は現実に提供することを要し、解除する旨の通知を送達しただけでは解除の効力は生じない。

肢2:正しい。手付解除には損害賠償の規定が適用されない。

肢3:誤り。相手方が履行に着手していなければ、自ら準備を整えた当事者も手付による解除をすることができる。

肢4:誤り。債務不履行による解除の場合は、手付の返還に加えて損害賠償を請求することができる。

一言まとめ

手付解除は相手方が着手するまで、損害賠償は付かないと覚える。

一問一答各肢の正誤

  1. ×肢1Bが本件契約の履行に着手していない場合、Aは、Bに対し、手付金の倍額を償還することにより本件契約を解除する旨の通知を送達すれば、本件契約を解除することができる。

    誤り。倍額の償還は現実に提供することを要し、解除する旨の通知を送達しただけでは解除の効力は生じない。

  2. 肢2Aが本件契約の履行に着手していない場合、BがAに対し、手付金を放棄し、本件契約を解除する旨の意思表示をしたときは、Aは、Bに対して損害賠償を請求することができない。

    正しい。手付解除には損害賠償の規定が適用されない。

  3. ×肢3契約締結の日から1か月後に、Aが甲の引渡しの準備をしていなかった場合でも、Bが代金の支払の準備を整えていたときは、AとBはいずれも、解約手付による解除権を行使することができない。

    誤り。相手方が履行に着手していなければ、自ら準備を整えた当事者も手付による解除をすることができる。

  4. ×肢4BがAの債務不履行により売買契約を解除した場合、Bは、Aに対して手付金の返還を請求することができるが、損害賠償を請求することはできない。

    誤り。債務不履行による解除の場合は、手付の返還に加えて損害賠償を請求することができる。

関連条文解説で引用

  • 民法第557条第1項
  • 民法第557条第2項

法令基準日:2018年4月1日現在で施行されている規定に基づく。本サイトの解説は学習補助を目的とし、法的助言ではありません。