KANRI / 2018 / 問3公式正解表どおり

民法・関連法令法令基準日 2018年4月1日

平成30年度(2018年)管理業務主任者試験 問3

債務不履行責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. 1損害賠償額が予定されている場合において、債務不履行の事実があったときは、債権者は、原則として、損害の発生及び損害額を証明することなく、予定された賠償額を請求することができる。
  2. 2損害賠償額が予定されている場合において、債務不履行の事実があったとき、債権者は、実際の損害額が予定賠償額より大きいことを立証しても賠償額の増額を請求することができない。
  3. 3債務不履行により通常生ずべき損害が生じた場合、債務者が、当該債務不履行時までにその損害が生じることを予見し、又は予見することができた場合でなければ、債権者は、損害賠償を請求することができない。
  4. 4金銭債務の債務者は、不可抗力により期日に金銭の支払をすることができなかったときであっても、その不履行によって生じた損害の賠償責任を免れない。

正解 肢3

出典:平成30年度 管理業務主任者試験 問3。本サイトは非公式の学習サイトです。

解説AI解説

本問の論点

債務不履行による損害賠償について、賠償額の予定の効力と、通常損害および特別損害の区別を問う問題である。誤っている記述を選ぶ形式であり、予見可能性が要件となる場面を取り違えていないかが鍵となる。

正解の根拠

民法第416条第1項は、債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とすると定めており、通常損害について予見可能性は要件とされていない。予見し、又は予見することができたことが要件となるのは、民法第416条第2項の特別の事情によって生じた損害である。したがって、通常損害にも予見可能性を要するとする記述は誤りである。よって、正解は肢3。

各肢の検討

肢1:正しい。民法第420条第1項は、当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができると定めており、予定がある場合、債権者は損害の発生及び額を証明することなく予定された賠償額を請求できる。

肢2:正しい。同項は、裁判所は、その額を増減することができないと定めており、増額の請求はできない。

肢3:誤り。予見可能性が問題となるのは特別損害であり、通常損害では要件とならない。

肢4:正しい。金銭債務については、不可抗力をもって抗弁とすることができない。

一言まとめ

予見可能性は特別損害だけ、金銭債務に不可抗力の免責なし。

一問一答各肢の正誤

  1. 肢1損害賠償額が予定されている場合において、債務不履行の事実があったときは、債権者は、原則として、損害の発生及び損害額を証明することなく、予定された賠償額を請求することができる。

    正しい。民法第420条第1項は、当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができると定めており、予定がある場合、債権者は損害の発生及び額を証明することなく予定された賠償額を請求できる。

  2. 肢2損害賠償額が予定されている場合において、債務不履行の事実があったとき、債権者は、実際の損害額が予定賠償額より大きいことを立証しても賠償額の増額を請求することができない。

    正しい。同項は、裁判所は、その額を増減することができないと定めており、増額の請求はできない。

  3. ×肢3債務不履行により通常生ずべき損害が生じた場合、債務者が、当該債務不履行時までにその損害が生じることを予見し、又は予見することができた場合でなければ、債権者は、損害賠償を請求することができない。

    誤り。予見可能性が問題となるのは特別損害であり、通常損害では要件とならない。

  4. 肢4金銭債務の債務者は、不可抗力により期日に金銭の支払をすることができなかったときであっても、その不履行によって生じた損害の賠償責任を免れない。

    正しい。金銭債務については、不可抗力をもって抗弁とすることができない。

関連条文解説で引用

  • 民法第416条第1項
  • 民法第416条第2項
  • 民法第420条第1項

法令基準日:2018年4月1日現在で施行されている規定に基づく。本サイトの解説は学習補助を目的とし、法的助言ではありません。