民法・関連法令法令基準日 2018年4月1日
平成30年度(2018年)管理業務主任者試験 問5
AとBとの間で、Aが所有するマンションの1住戸甲(以下、本問において「甲」という。)についての賃貸借契約が締結され、AはBに甲を引き渡した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 1Bが、Aの承諾を得ないで、甲をCに転貸した場合であっても、Bの行為についてAに対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、Aは、Bとの間の賃貸借契約を、無断転貸を理由として解除することができない。
- 2Bが、Aの承諾を得て、甲をCに転貸した場合、Bの債務不履行を理由としてAが賃貸借契約を解除したときは、Cの転借権も消滅する。
- 3Bが、Aの承諾を得て、甲をCに転貸した場合、Cは、Aに対して直接に義務を負う。
- 4Bが、Aの承諾を得て、甲の賃借権をCに譲渡した場合、BがAに交付した敷金に関する権利義務関係は、当然にCに承継される。
正解 肢4
出典:平成30年度 管理業務主任者試験 問5。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説AI解説
本問の論点
マンションの一住戸の賃貸借について、無断転貸と承諾のある転貸の効果、および賃借権の譲渡に伴う敷金関係の帰すうを問う問題である。誤っている記述を選ぶ形式である。
正解の根拠
敷金は、賃借人の債務を担保するために特定の賃借人から交付されるものであり、賃貸人の承諾を得て賃借権が譲渡された場合であっても、特段の事情がない限り、敷金に関する権利義務関係は当然には新賃借人に承継されない。敷金は旧賃借人の未払債務に充当され、残額は旧賃借人に返還されるにとどまる。したがって、当然に承継されるとする記述は誤りである。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:正しい。無断転貸であっても、賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、解除することができない。
肢2:正しい。賃借人の債務不履行を理由に賃貸借が解除されれば、転借権も消滅する。
肢3:正しい。民法第613条第1項は、賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負うと定める。
肢4:誤り。敷金に関する権利義務関係は当然には承継されない。
一言まとめ
敷金は賃借人に付く。賃借人が代わるときは承継されない。
一問一答各肢の正誤
○肢1Bが、Aの承諾を得ないで、甲をCに転貸した場合であっても、Bの行為についてAに対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、Aは、Bとの間の賃貸借契約を、無断転貸を理由として解除することができない。
正しい。無断転貸であっても、賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、解除することができない。
○肢2Bが、Aの承諾を得て、甲をCに転貸した場合、Bの債務不履行を理由としてAが賃貸借契約を解除したときは、Cの転借権も消滅する。
正しい。賃借人の債務不履行を理由に賃貸借が解除されれば、転借権も消滅する。
○肢3Bが、Aの承諾を得て、甲をCに転貸した場合、Cは、Aに対して直接に義務を負う。
正しい。民法第613条第1項は、賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負うと定める。
×肢4Bが、Aの承諾を得て、甲の賃借権をCに譲渡した場合、BがAに交付した敷金に関する権利義務関係は、当然にCに承継される。
誤り。敷金に関する権利義務関係は当然には承継されない。
関連条文解説で引用
- 民法第613条第1項
法令基準日:2018年4月1日現在で施行されている規定に基づく。本サイトの解説は学習補助を目的とし、法的助言ではありません。