民法・関連法令法令基準日 2021年4月1日
令和3年度(2021年)管理業務主任者試験 問11
管理費の滞納に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1滞納者が、所有している専有部分を売却し、区分所有者でなくなった場合、その専有部分の買受人である区分所有者が滞納管理費債務を承継し、当該滞納者は滞納管理費債務を免れる。
- 2滞納者が破産手続開始の決定を受けた場合でも、その決定だけでは、当該滞納者は管理費の支払義務を免れるわけではない。
- 3滞納者が死亡し、その相続人全員が相続放棄した場合には、いずれの相続人も滞納管理費債務を負わない。
- 4管理規約に管理費について遅延損害金の定めがない場合でも、民法に定める法定利率によって遅延損害金を請求することができる。
正解 肢1
出典:令和3年度 管理業務主任者試験 問11。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説AI解説
本問の論点
管理費を滞納した区分所有者について、専有部分の売却、破産、相続放棄、遅延損害金の四場面を取り上げ、滞納管理費債務が誰に帰属し、どの場合に消滅するのかを問う問題である。
正解の根拠
滞納管理費債務は、滞納した当時の区分所有者自身が負う金銭債務であり、専有部分を譲渡して区分所有者でなくなっても当然に消滅するものではない。区分所有法は管理費等の債権を特定承継人に対しても行使できるものとしているが、これは買主が重ねて責任を負うという趣旨であり、売主の債務を免除する規定ではない。買主だけが債務を承継し滞納者が免れるとする記述は誤りである。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1:買主も責任を負うが滞納者の債務は残り、双方に請求できるため不適切である。
肢2:民法第137条第1項第1号は、債務者が破産手続開始の決定を受けたときは期限の利益を主張することができないと定めるにとどまり、支払義務そのものを消滅させる規定ではないため適切である。
肢3:相続人全員が放棄すると初めから相続人でなかったものとみなされるため、誰も債務を負わず適切である。
肢4:規約に定めがなくても、金銭債務の履行遅滞として民法の法定利率による遅延損害金を請求できるため適切である。
一言まとめ
滞納者が「いなくなった」ように見える場面でも、債務が消えるのは相続放棄や免責許可のように法律上の根拠がある場合だけだと覚えたい。
一問一答各肢の正誤
×肢1滞納者が、所有している専有部分を売却し、区分所有者でなくなった場合、その専有部分の買受人である区分所有者が滞納管理費債務を承継し、当該滞納者は滞納管理費債務を免れる。
買主も責任を負うが滞納者の債務は残り、双方に請求できるため不適切である。
○肢2滞納者が破産手続開始の決定を受けた場合でも、その決定だけでは、当該滞納者は管理費の支払義務を免れるわけではない。
民法第137条第1項第1号は、債務者が破産手続開始の決定を受けたときは期限の利益を主張することができないと定めるにとどまり、支払義務そのものを消滅させる規定ではないため適切である。
○肢3滞納者が死亡し、その相続人全員が相続放棄した場合には、いずれの相続人も滞納管理費債務を負わない。
相続人全員が放棄すると初めから相続人でなかったものとみなされるため、誰も債務を負わず適切である。
○肢4管理規約に管理費について遅延損害金の定めがない場合でも、民法に定める法定利率によって遅延損害金を請求することができる。
規約に定めがなくても、金銭債務の履行遅滞として民法の法定利率による遅延損害金を請求できるため適切である。
関連条文解説で引用
- 民法第137条第1項第1号
法令基準日:2021年4月1日現在で施行されている規定に基づく。本サイトの解説は学習補助を目的とし、法的助言ではありません。