民法・関連法令法令基準日 2021年4月1日
令和3年度(2021年)管理業務主任者試験 問2
A、B、Cが、マンションの一住戸甲を共同して購入するための資金として、Dから900万円を借り受け、Dとの間で、各自が連帯してその債務を負う旨の合意をした場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も不適切なものはどれか。ただし、A、B、Cの間の負担部分は等しいものとし、元本900万円以外は考慮しないものとする。
- 1Aが、Dに対して600万円を弁済し、残債務の支払を免除された場合に、Bは、Dから300万円の支払の請求を受けたときは、これを拒むことができない。
- 2Bが、Dに対して、270万円を弁済した場合に、Bは、AとCのそれぞれに対して、90万円について求償することができる。
- 3Cが、Dに対して有する600万円の代金債権との相殺を援用しない場合に、Aは、Dから900万円の支払請求を受けたときは、CがDに対して当該債権を有することを理由に600万円についてDの支払請求を拒むことができる。
- 4Cが、Dに対して、700万円を弁済したが、Bに資力がない場合に、Bから償還を受けることができないことについてCに過失がないときは、Cは、Aに対して、350万円を求償することができる。
正解 肢3
出典:令和3年度 管理業務主任者試験 問2。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説AI解説
本問の論点
900万円の連帯債務について、免除の効力、一部弁済後の求償、相殺の援用がない場合の履行拒絶、無資力者がいる場合の求償額を問う。各自の負担部分は各自300万円である。
正解の根拠
民法第439条第2項は、相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分の限度において、債権者に対して債務の履行を拒むことができると定める。Cの負担部分は300万円であるから、Aが拒めるのは300万円までであり、600万円について拒めるとする点は誤り。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1: 免除の効力は他の連帯債務者に及ばず、Bは残額300万円の請求を拒めないため適切。
肢2: 一部弁済でも弁済額に負担部分の割合を乗じた額を求償でき、270万円の3分の1の90万円を求償できるため適切。
肢3: 拒めるのは負担部分の限度であり、600万円を拒めるとする点が誤りで最も不適切。
肢4: 民法第444条第1項は、償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担すると定めるため適切。
計算過程
700万円に負担割合3分の1を乗じた233万3千円がAとBへの求償額であり、Bの無資力分をCとAで2等分した116万6千円を加えると、Aへの求償額は350万円となる。
一言まとめ
援用がない間に拒めるのは負担部分の限度まで、無資力者の分は残った者で分け直す。
一問一答各肢の正誤
○肢1Aが、Dに対して600万円を弁済し、残債務の支払を免除された場合に、Bは、Dから300万円の支払の請求を受けたときは、これを拒むことができない。
免除の効力は他の連帯債務者に及ばず、Bは残額300万円の請求を拒めないため適切。
○肢2Bが、Dに対して、270万円を弁済した場合に、Bは、AとCのそれぞれに対して、90万円について求償することができる。
一部弁済でも弁済額に負担部分の割合を乗じた額を求償でき、270万円の3分の1の90万円を求償できるため適切。
×肢3Cが、Dに対して有する600万円の代金債権との相殺を援用しない場合に、Aは、Dから900万円の支払請求を受けたときは、CがDに対して当該債権を有することを理由に600万円についてDの支払請求を拒むことができる。
拒めるのは負担部分の限度であり、600万円を拒めるとする点が誤りで最も不適切。
○肢4Cが、Dに対して、700万円を弁済したが、Bに資力がない場合に、Bから償還を受けることができないことについてCに過失がないときは、Cは、Aに対して、350万円を求償することができる。
民法第444条第1項は、償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担すると定めるため適切。
関連条文解説で引用
- 民法第439条第2項
- 民法第444条第1項
法令基準日:2021年4月1日現在で施行されている規定に基づく。本サイトの解説は学習補助を目的とし、法的助言ではありません。