分野別全49問
管理業務主任者試験「区分所有法」の過去問と頻出論点
平成29年度から令和7年度までの8年度(令和2年度を除く)で、「区分所有法」の出題は全49問です。
この分野で問われること区分所有法
区分所有法は、マンションの権利関係と団体の運営を定める法律です。標準管理規約の問題でも区分所有法の原則との違いが問われるなど、他の分野とも結びつきの強い分野です。条文の知識をそのまま問う問題が多く、要件の細部まで正確に押さえておく必要があります。
もっとも頻繁に取り上げられているのは、専有部分と敷地利用権の分離処分の禁止です。敷地利用権をもたない区分所有者に対する売渡請求や、規約で建物の敷地とすることができる土地の範囲とあわせて出題されています。共用部分については、当然に共用部分となる法定共用部分と、規約で定める規約共用部分の区別が基本となります。
集会の分野では、招集通知の宛先と方法、招集手続の省略、普通決議で足りる事項と特別多数決議を要する事項の区別、占有者の意見陳述権が問われます。管理組合法人については、理事の代表権と任期、監事、代理権の制限、法人化のための決議要件がくり返し出題されています。どの規定が規約で別段の定めをすることができ、どの規定ができないのかという区別も独立したテーマになっています。
建物の一部が滅失した場合の復旧決議と買取請求、建替え決議後の売渡請求、団地における一括建替え決議と建替え承認決議の違いも頻出です。さらに、マンション建替円滑化法の除却の必要性に係る認定や敷地売却決議、管理費債権の消滅時効や専用使用権に関する最高裁判所の判断も出題されています。学習の際は、まず共用部分と敷地の基本構造を理解し、次に集会と管理組合法人、最後に復旧と建替えへ進むと、決議要件の違いを体系的に整理できます。
年度別出題数8年度
| 年度 | 区分所有法の出題数 |
|---|---|
| 令和7年度 | 5問 |
| 令和6年度 | 8問 |
| 令和5年度 | 7問 |
| 令和4年度 | 6問 |
| 令和3年度 | 5問 |
| 令和元年度 | 6問 |
| 平成30年度 | 3問 |
| 平成29年度 | 9問 |
頻出条文複数の問題の解説で引用
| 条文 | 引用された問題数 | 出題年度 |
|---|---|---|
| 区分所有法第22条第1項 | 5問 | 令和7年度・令和4年度・令和3年度・令和元年度・平成29年度 |
| 区分所有法第49条第6項 | 4問 | 令和5年度・令和4年度・令和3年度・令和元年度 |
| 区分所有法第17条第1項 | 3問 | 令和4年度・令和3年度・平成29年度 |
| 区分所有法第35条第1項 | 3問 | 令和5年度・令和4年度・平成29年度 |
| 区分所有法第36条第1項 | 3問 | 令和7年度・令和5年度・令和4年度 |
| 区分所有法第45条第1項 | 3問 | 令和5年度・令和3年度・平成29年度 |
| 区分所有法第47条第11項 | 3問 | 令和5年度・令和3年度・令和元年度 |
| 区分所有法第47条第1項 | 3問 | 令和6年度・令和5年度・平成29年度 |
| 区分所有法第49条第5項 | 3問 | 令和5年度・令和3年度・令和元年度 |
| 区分所有法第61条第1項 | 3問 | 令和6年度・令和4年度・平成30年度 |
| 区分所有法第70条第1項 | 3問 | 令和6年度・令和5年度・平成29年度 |
| 区分所有法第7条第1項 | 3問 | 令和5年度・平成30年度・平成29年度 |
| マンション建替円滑化法第102条第1項 | 2問 | 令和4年度・平成29年度 |
| マンション建替円滑化法第108条第1項 | 2問 | 令和4年度・平成29年度 |
| マンション建替円滑化法第9条第1項 | 2問 | 令和元年度・平成29年度 |
一問一答で確認5問
○平成29年度 問29 肢1区分所有法によれば、占有者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。
適切。区分所有法第44条第1項は、占有者は会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には集会に出席して意見を述べることができると定める。
○平成29年度 問30 肢1管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する。
正しい。区分所有法第47条第6項は、管理組合法人はその事務に関し区分所有者を代理すると定めている。
○平成29年度 問34 肢1区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。
区分所有法第5条第1項が、一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地を規約により建物の敷地とできると定めており、正しい。
○平成29年度 問35 肢1区分所有者は、共用部分、建物の敷地又は共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。
区分所有法第7条第1項が、共用部分、建物の敷地又は共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権について先取特権を認めており、正しい。
○平成29年度 問36 肢1敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。
区分所有法第22条第1項は、敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができないとし、ただし規約に別段の定めがあるときはこの限りでなく、正しい。
令和7年度5問
- 問25区分所有法
区分所有法の基礎概念を問う。
正解 肢4 - 問26区分所有法
法定共用部分に当たるものを選ばせる問題である。
正解 肢2 - 問27区分所有法
集会の招集手続、招集請求権の定数、占有者の意見陳述権、規約及び集会の決議の効力を横断的に問う問題である。
正解 肢1 - 問28区分所有法
過料に処せられる場合を問う問題である。
正解 肢3 - 問38区分所有法
分譲時に設定された駐車場専用使用権の対価の帰属、バルコニーの改造に対する撤去請求、リゾートマンション売買の解除、区分所有法第3条の団体と自治会の違いを問う総合問題である。
正解 肢1
令和6年度8問
- 問2区分所有法
マンションをめぐる民法、区分所有法及び判例の理解を問う問題である。
正解 肢3 - 問25区分所有法
区分所有者が住戸を賃貸している場合について、管理費の支払義務を負うのは誰か、賃借人が規約や集会の決議に基づく義務を負うか、住戸の設置又は保存の瑕疵による損害賠償責任を賃借人がどこまで負うかを問う問題である。
正解 肢3 - 問26区分所有法
建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した大規模滅失について、復旧決議の要件、単独復旧と償還請求の可否、買取指定者の指定の効果、決議がないまま6月が経過した場合の買取請求を問う問題である。
正解 肢2 - 問27区分所有法
共用部分について、規約共用部分の設定、一部共用部分の管理の主体、保存行為を行うことができる者、損害保険契約の位置付けという四つの記述の当否を判断し、不適切なものの数を答える問題である。
正解 肢2 - 問28区分所有法
団地における「一括建替え決議」と「建替え承認決議」の要件の違いを問う問題である。
正解 肢3 - 問38区分所有法
最高裁判所の判断を四つの記述について正確に思い出せるかを問う組合せ問題である。
正解 肢1 - 問41区分所有法
マンションの建替えの円滑化に関する法制度のうち、定義規定と事業主体の組織を問う。
正解 肢3 - 問43区分所有法
国土交通省が公表している分譲マンションの統計(新規供給戸数の推移、築40年以上のストック戸数、マンション敷地売却と建替えの実績)について、数値の大小と推移の方向を正確に押さえているかを問う問題である。
正解 肢4
令和5年度7問
- 問26区分所有法
区分所有法における集会の招集通知の宛先と方法、及び招集手続の省略を問う。
正解 肢2 - 問30区分所有法
専有部分に設定された抵当権と、管理費債権等を担保する区分所有法上の先取特権との関係を問う問題である。
正解 肢3 - 問31区分所有法
管理組合法人にするための集会の招集通知の期限、通知の相手方の数、決議要件、議案の要領の要否を問う。
正解 肢3 - 問32区分所有法
管理組合の運営に電磁的記録及び電磁的方法を採用する場合について、区分所有法が規約の定めを要件としている場面とそうでない場面を区別できるかを問う問題である。
正解 肢4 - 問33区分所有法
団地内建物の建替えには、特定の建物のみを建て替える建替え承認決議と、全部を一括して建て替える一括建替え決議の二つがある。
正解 肢2 - 問34区分所有法
管理組合法人における理事の代表権、理事の任期、法人成立前にされた決議等の効力、及び管理者の存否を問う問題である。
正解 肢3 - 問38区分所有法
分譲の際に一部の区分所有者に与えられた敷地内駐車場の専用使用権が団体的規制に服するか、また専用使用料の増額に専用使用権者の承諾が必要かを問う問題である。
正解 肢4
令和4年度6問
- 問29区分所有法
規約で別段の定めを置ける規定かどうかの区別を問う。
正解 肢4 - 問34区分所有法
規約の保管、閲覧及び保管場所の掲示に関する区分所有法第33条の文言を問う。
正解 肢2 - 問35区分所有法
借地上のマンションについて、土地所有者と各区分所有者が個別に借地契約を締結した場合の法律関係を問う。
正解 肢3 - 問36区分所有法
集会の招集通知と決議事項の範囲を問う問題である。
正解 肢2 - 問38区分所有法
区分所有法上の団地関係がどのような場合に成立するか、特に土地や附属施設の共有関係が成立の前提であることを、図に即して判断する問題である。
正解 肢3 - 問41区分所有法
除却認定と敷地売却決議、容積率の特例を問う。
正解 肢2
令和3年度5問
- 問32区分所有法
共用部分の持分や敷地利用権の割合について、区分所有法の規定を問う問題である。
正解 肢1 - 問33区分所有法
共用部分の変更と規約の変更を集会で決議する場合の相違を問う。
正解 肢2 - 問34区分所有法
建替え決議の後、買受指定者が売渡請求をすることができる相手方は誰かを問う。
正解 肢4 - 問35区分所有法
管理組合法人の理事と監事、代理権の制限について、規約で定められる事項とそうでない事項を問う。
正解 肢3 - 問37区分所有法
規約により共用部分とすることができる規約共用部分の範囲を問う問題であり、当然に共用部分となる法定共用部分との区別が中心となる。
正解 肢3
令和元年度6問
- 問10区分所有法
管理費の支払義務者と滞納債権の処理を問う。
正解 肢2 - 問35区分所有法
区分所有法第71条の過料の規定を問う。
正解 肢3 - 問37区分所有法
区分所有法上、規約で別段の定めをすることができない事項を選ぶ問題である。
正解 肢2 - 問38区分所有法
管理組合法人の機関に関する問題である。
正解 肢1 - 問39区分所有法
理事長の職を解く場面で、総会の決議によらず理事の過半数の一致で足りるかが争われた最高裁判決の一節を並べ替える問題である。
正解 肢4 - 問43区分所有法
マンション建替事業の施行者、参加組合員、売渡し請求など、マンションの建替え等の円滑化に関する法律の基本構造を問う問題である。
正解 肢2
平成30年度3問
- 問34区分所有法
区分所有法第8条第1項が定める特定承継人の責任について、承継される債権の範囲と、特定承継人に当たる者の範囲を問う組合せ問題である。
正解 肢3 - 問36区分所有法
建物の一部が滅失した場合の復旧について、大規模滅失の買取請求と買取指定者を問う。
正解 肢4 - 問39区分所有法
管理費等の債権の消滅時効について、定期給付債権として5年の短期消滅時効に服すると判示した最高裁判所の判決の文言を問う問題である。
正解 肢4
平成29年度9問
- 問29区分所有法
区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者の集会への関与について、区分所有法上の意見陳述権と通知の方法、及び標準管理規約が定める出席の要件を問う問題である。
正解 肢2 - 問30区分所有法
管理組合法人における代理権と訴訟追行権の帰属、理事の代理行為の委任、事務の執行の決定方法という基本論点を問う問題である。
正解 肢4 - 問34区分所有法
規約によって建物の敷地とすることができる土地と、法律上当然に規約で敷地と定められたものとみなされる土地との区別を問う問題である。
正解 肢4 - 問35区分所有法
区分所有法第7条の先取特権について、被担保債権の範囲、権利者、目的物、そして共益費用の先取特権とみなされる範囲を問う問題である。
正解 肢4 - 問36区分所有法
専有部分と敷地利用権の分離処分と、敷地利用権を有しない場合の売渡請求権を問う。
正解 肢4 - 問37区分所有法
集会の決議要件について、普通決議で足りる事項と特別多数決議を要する事項の区別を問う問題である。
正解 肢1 - 問38区分所有法
管理組合法人の住所、区分所有者の責任、代理権の制限、代理の主体を問う問題である。
正解 肢3 - 問39区分所有法
団地内全建物一括建替え決議の議決要件と不参加者の扱いを問う問題である。
正解 肢2 - 問42区分所有法
除却の必要性に係る認定、敷地売却決議、組合の設立要件を問う。
正解 肢4