分野別全33問

管理業務主任者試験「管理委託契約」の過去問と頻出論点

平成29年度から令和7年度までの8年度(令和2年度を除く)で、「管理委託契約」の出題は全33問です。

この分野で問われること管理委託契約

管理委託契約の分野では、国土交通省が示す標準管理委託契約書とそのコメントが素材になります。マンション管理業者と管理組合の間で交わす契約のひな形であり、試験では条項の文言を場面に当てはめて判断させる問題が中心です。

最もよく出題されているのは、事務管理業務の内容を定めた別表です。理事会や総会の支援業務、マンションの維持や修繕に関する企画又は実施の調整の業務が問われます。長期修繕計画案の作成を契約の対象とするか、別個の契約とすべきかという区別も取り上げられています。管理員業務を定めた別表については、受付等の業務、点検業務、立会業務、報告連絡業務のどれにどの事務が割り振られているかが論点です。

条項の側では、緊急時の業務、専有部分等への立入り、マンション管理業者の免責、管理費等の滞納者に対する督促の範囲と限界、管理事務の再委託がくり返し問われています。契約の解除、解約の申入れ、更新の申出の方法も定番の論点です。管理事務の報告については、年度終了後の報告、毎月の書面の交付、随時の請求に基づく報告を区別して覚えておく必要があります。

専有部分の売却等に際して、宅地建物取引業者から管理規約の提供や関係事項の開示を求められた場合の扱いも頻出です。開示できる事項の範囲と費用の受領について、条項とコメントの両方から問われています。学習の際は、まず別表の業務区分を把握し、そのうえで緊急時の対応や解除などの条項に進むと、個々の記述の正誤を判断しやすくなります。

年度別出題数8年度

年度管理委託契約の出題数
令和7年度5問
令和6年度5問
令和5年度4問
令和4年度3問
令和3年度4問
令和元年度4問
平成30年度3問
平成29年度5問

頻出条文複数の問題の解説で引用

条文引用された問題数出題年度
標準管理委託契約書別表第17問令和7年度・令和6年度・令和4年度・令和元年度・平成30年度・平成29年度
標準管理委託契約書コメント別表第1 1(3)関係5問令和7年度・令和6年度・令和5年度・平成29年度
標準管理委託契約書第8条4問令和6年度・令和5年度・令和元年度・平成29年度
標準管理委託契約書コメント全般関係3問令和5年度・令和4年度・令和元年度
標準管理委託契約書コメント第3条関係3問令和5年度・令和4年度・令和元年度
標準管理委託契約書コメント別表第2関係3問令和6年度・令和5年度・令和4年度
標準管理委託契約書第10条3問令和5年度・令和3年度・令和元年度
標準管理委託契約書第13条3問令和7年度・令和4年度・平成29年度
標準管理委託契約書第14条3問令和6年度・令和5年度・平成29年度
標準管理委託契約書第19条3問令和7年度・令和5年度・令和3年度
標準管理委託契約書第4条3問令和7年度・令和6年度・平成30年度
標準管理委託契約書第7条3問令和6年度・令和4年度・令和3年度
標準管理委託契約書コメント第14条関係2問令和3年度・平成29年度
標準管理委託契約書コメント第17条関係2問令和7年度・令和元年度
標準管理委託契約書コメント第2条関係2問令和元年度・平成29年度

一問一答で確認5問

  1. 平成29年度 問7 肢1マンション管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定する者をいう。以下同じ。)は、管理事務(マンション管理適正化法第2条第6号に規定するものをいう。以下同じ。)を行うため必要があるときは、管理組合の組合員及びその所有する専有部分の占有者(以下「組合員等」という。)に対して、その専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる。

    適切。標準管理委託契約書第13条は、管理事務を行うため必要があるときは組合員等に対し専有部分等への立入りを請求することができると定めている。

  2. ×平成29年度 問8 肢1マンション管理業者は、管理組合の管理規約の原本、総会議事録、総会議案書等を、マンション管理業者の事務所で保管する。

    不適切。標準管理委託契約書別表第1の図書等の保管等では、乙は甲の管理規約の原本、総会議事録、総会議案書等を「甲の事務所」で保管するとされ、業者の事務所ではない。

  3. 平成29年度 問9 肢1管理組合の組合員が、当該組合員が所有する専有部分の売却等を目的とする情報収集のために、理由を付した書面により管理組合の収支及び予算の状況の開示を求めてきたときは、マンション管理業者はそのことについて開示するものとする。

    適切。標準管理委託契約書第14条第1項後段は、組合員が売却等を目的とする情報収集のために提供等を求めてきたときも同様とすると定めている。

  4. ×平成29年度 問26 肢1建築基準法によれば、マンション管理業者は、マンションの維持保全に関し、同法に規定されている義務を負い、当該マンションの所有者と管理組合にはその義務がない。

    不適切。同法上の維持保全義務の主体は所有者・管理者・占有者であり、管理業者ではない。

  5. 平成30年度 問8 肢1マンション管理業者は、管理組合が、管理委託契約にかかるマンションの維持又は修繕(大規模修繕を除く修繕又は保守点検等。)を外注により、当該マンション管理業者以外の業者に行わせる場合、実施の確認を行うこととされているが、当該実施の確認は、管理員が外注業務の完了の立会いにより確認できる内容のものをいう。

    適切。実施の確認とは、管理員が外注業務の完了の立会いにより確認できる内容のものをいう。

令和7年度5問

  1. 問4管理委託契約

    標準管理委託契約書について、見積書の受理の範囲、費用負担、緊急時の報告、無催告解除の事由を問う。

    正解 肢2
  2. 問5管理委託契約

    標準管理委託契約書について、再委託先の名称の通知、WEB会議システム等による報告の承諾、免責事項の具体化という三つの記述の当否を問う組合せ問題である。

    正解 肢4
  3. 問6管理委託契約

    標準管理委託契約書における秘密保持義務、通知義務、更新の申出方法及び免責事項を横断的に問う問題である。

    正解 肢4
  4. 問7管理委託契約

    宅地建物取引業者等への管理規約等の提供と別表第5の事項の開示の範囲を問う。

    正解 肢1
  5. 問8管理委託契約

    標準管理委託契約書の別表に定める事務管理業務及び管理員業務の内容と、報告の頻度や方法を問う問題である。

    正解 肢3

令和6年度5問

  1. 問4管理委託契約

    標準管理委託契約書の条項から、最も適切なものを選ぶ問題である。

    正解 肢4
  2. 問5管理委託契約

    管理委託契約の締結及び履行について、標準管理委託契約書に照らして最も不適切なものを選ぶ問題である。

    正解 肢1
  3. 問6管理委託契約

    管理委託契約の解除、解約の申入れ及び更新について、標準管理委託契約書に照らして不適切なものの組合せを選ぶ問題である。

    正解 肢2
  4. 問7管理委託契約

    標準管理委託契約書の四つの場面を横断する問題である。

    正解 肢2
  5. 問8管理委託契約

    管理事務の内容及び実施方法について、標準管理委託契約書に照らして最も不適切なものを選ぶ問題である。

    正解 肢4

令和5年度4問

  1. 問5管理委託契約

    標準管理委託契約書における理事会支援業務の位置づけ、管理員の立会業務の意味、長期修繕計画案の作成業務の契約上の扱いを問う問題である。

    正解 肢4
  2. 問6管理委託契約

    標準管理委託契約書における契約の解除、解約の申入れ、更新と暫定契約を問う。

    正解 肢1
  3. 問7管理委託契約

    標準管理委託契約書について、管理事務に含めうる範囲、管理費等の督促業務の限界、管理規約の提供と費用の受領を問う組合せ問題である。

    正解 肢4
  4. 問8管理委託契約

    標準管理委託契約書及びそのコメントの基本事項を問う。

    正解 肢1

令和4年度3問

  1. 問6管理委託契約

    標準管理委託契約書別表第1「事務管理業務」の内容を問う。

    正解 肢4
  2. 問7管理委託契約

    標準管理委託契約書の適用範囲、管理対象部分、管理事務室等の使用条件、滞納管理費等の督促の留意点を問う問題である。

    正解 肢3
  3. 問8管理委託契約

    標準管理委託契約書別表第2が定める管理員業務の区分、すなわち受付等の業務、点検業務、立会業務、報告連絡業務のそれぞれに、どの事務が割り振られているかを問う問題である。

    正解 肢3

令和3年度4問

  1. 問6管理委託契約

    標準管理委託契約書における管理事務の再委託、管理事務室等の使用、管理費等の督促、解約の申入れの各規定を問う問題である。

    正解 肢1
  2. 問7管理委託契約

    宅地建物取引業者から管理規約の提供等を求められた場合のマンション管理業者の対応を問う。

    正解 肢2
  3. 問8管理委託契約

    標準管理委託契約書の緊急時の業務、専有部分等への立入り、マンション管理業者の免責に関する規定を問う問題である。

    正解 肢2
  4. 問13管理委託契約

    標準管理委託契約書における管理事務の報告について、年度終了後の報告、毎月の書面交付、随時の請求に基づく報告、関係書類の提示請求の四場面を問う問題である。

    正解 肢4

令和元年度4問

  1. 問7管理委託契約

    標準管理委託契約書における管理事務の対象部分と内容、定期調査の取扱い、緊急時の業務を問う組合せ問題である。

    正解 肢3
  2. 問8管理委託契約

    標準管理委託契約書の解除、滞納督促の限界、委託業務費の変更等を問う。

    正解 肢1
  3. 問9管理委託契約

    標準管理委託契約書の通知義務の方式を問う。

    正解 肢3
  4. 問13管理委託契約

    標準管理委託契約書に基づく管理事務の報告について、報告の時期・方法と、管理業務主任者の関与が必要かどうかを区別できるかを問う問題である。

    正解 肢2

平成30年度3問

  1. 問7管理委託契約

    標準管理委託契約書について、管理対象部分の範囲、組合員等の個人情報の取扱い、反社会的勢力の排除、見積書の受理の意味を問う組合せ問題である。

    正解 肢3
  2. 問8管理委託契約

    標準管理委託契約書のうち、マンションの維持又は修繕に関する企画又は実施の調整の業務について、助言の方法、別個の契約とすべき業務、長期修繕計画の作成の際に参考とすべき資料を問う問題である。

    正解 肢2
  3. 問9管理委託契約

    標準管理委託契約書について、宅地建物取引業者に対する管理規約等の提供・開示、理事会および総会の支援業務、議事録の記載、管理事務の再委託を問う問題である。

    正解 肢4

平成29年度5問

  1. 問7管理委託契約

    標準管理委託契約書の定めについて、専有部分等への立入り、緊急時に行う業務、マンション管理業者の免責、組合員等に対する行為の中止要求の内容を問う問題である。

    正解 肢3
  2. 問8管理委託契約

    標準管理委託契約書における管理業者(乙)の責任と管理組合(甲)の権利を問う。

    正解 肢2
  3. 問9管理委託契約

    専有部分の売却等に際して、宅地建物取引業者や組合員から求められた管理規約の提供及び関係事項の開示について、標準管理委託契約書がどのように定めているかを問う問題である。

    正解 肢4
  4. 問26管理委託契約

    建築基準法上の維持保全義務を負う者は誰かという点と、標準管理委託契約書の別表第1が定める維持又は修繕に関する企画又は実施の調整業務の内容を問う複合問題である。

    正解 肢1
  5. 問28管理委託契約

    標準管理委託契約書が定める管理対象部分の区分を問う問題である。

    正解 肢2